劇団『彗』第1回公演

作:中島充雅 演出:高橋利明


1999年12月12日
穂積町総合センター
国民文化祭
岐阜県高文連演劇部会アマチュア演劇講習会(モデル上演)


【CAST】 【STAFF】
若き鵜匠 伊東祐輔 舞台監督 堤敏之
鵜匠の父 大橋裕幸 照明 井尾舞沙
鵜匠の爺 森専正 近藤文拓
う1号 高橋靖宜 稲垣聡
う2号 高橋靖明 音響 吉田孝史
う3号 澤田公宏 水野祐子
う4号 丹羽一高 舞台美術 林泉
う5号 名知晃代 岐阜農林高校演劇部
信長 境田剛幸 池田高校演劇部
濃姫 岡田ゆき子 大垣南高校演劇部
じい 渡辺孝之 衣装・小道具 富田真知子
吉田俊之 制作 水野祐子
乙女元気
小山明日香
恋人 神野愛


■STORY

若き鵜匠は、伝統の鵜飼を今の時代にあったものにするべきだと、厳格な父に反抗する。
伝統と言う名の綱に繋がれた父。
その父に縛られていると思っている息子。
それはまるで鵜たちの首に縛られている綱のように…。
しかし、それは「絆」と言う名の綱なのだ。

若き鵜匠によって綱を解かれ、自由のみとなった鵜たちは、長良川の川底から「思い出」を拾ってくる。
流しきれない思い出。
…戦国時代の織田信長が…第2次世界大戦直後の兄弟が…進路に悩む自分自身が。
河口堰によって流れを堰き止められた長良川によどんでいた。

「……僕は、流されていたのかな。
それとも、自分で流れてきたのかな。」

「河口堰はいかん。
流れがよどんでいる。
思い出がよどんでいる。」

「鵜のふるさとは海なんだよ。
……海に行ってみたいな。
山の滴が集まって、川となって海に注ぎ、雲となって再び山の滴となる。
流れとはそういうものなのだよ。
鵜たちはそれを知っている。」

どうして自分は鵜匠になったんだろう?
代々続く鵜匠の家に生まれたからなのか?
自分の進路と、父との絆。
若き鵜匠が鵜たちと見つけた答えは…。


■COMMENT

劇団名を劇団『彗』とした記念すべき第1作目にして、後に、劇団『彗』の正装は“全身タイツ”と言われる由縁となった作品。

全身タイツの鵜、「うーファイブ」なしには語れない。
舞台は水面を表現した“のれん”をならべたセットと、鵜飼舟。
鵜たちはその水面から神出鬼没に顔を出す。
水面下の鵜たちは、匍匐前進や中腰で所狭しと動き回る。
もちろん客席からその移動は見えないのだが…。
うーファイブの5人は「メイキングビデオ」を希望するほどの思い出深い作品。

登場人物のキャラの濃さも、この作品の特徴だ。
鵜匠の親子、信長&濃姫など、印象に残るものが多かった。


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