劇団『彗』第2回公演
黒豹

作・演出:澤田公宏

2000年10月28日・29日
御浪町ホール


【CAST】 【STAFF】
安部 高橋靖明 舞台監督 堤敏之
判内 近藤文拓 助演出 高橋利明
千種 名知晃代 照明 涌井美由紀
土橋 大橋裕幸 堤敏之
榎木 山本敦宏 音響 水野祐子
藤田 小竹理恵 高橋利明
後藤 谷藤名美子 舞台美術 松岡美紀
本田 古野文子 小山明日香
黒豹 境田剛幸 堤敏之
大林 古野文子 衣装・小道具 神野愛
制作 水野祐子
神野愛


■STORY

製薬会社の倉庫には、やる気のない社員が吹溜りのように居付いていた。
今日も今日とて、仕事しながら上司の悪口とくだらない妄想で一日が過ぎていくのか。

管理課の社員達の仕事は、倉庫整理。
いつもと変わらない時間を過ごしていたはずの彼らが見つけたのは、『保管』とだけ表示してある出荷のあてがないダンボール箱。
庶務の女性社員が給湯室で聞きつけた噂では、何やら会社が極秘裏のうちに進めたプロジェクトが関係しているらしい。
噂の真相を確かめようと、倉庫に来た彼女達ではあったが、管理課の課長の横槍が入って途中で断念。
彼女達によって中途半端に開けられた箱。
倉庫に残された課長の前に出てきたのは…全裸の男。

全裸の男は、会社のトップシークレットなのか?
『保管』と書かれたダンボールから出てきた喋らない全裸の男の正体は?
様々な憶測が、更なる妄想を呼んで話はとりとめもなく膨れ上がっていく…


■COMMENT

座長澤田の処女作(正確には初発表作)。
かつての職場の休憩室での会話がそのまま舞台に乗ったと言って過言でない(らしい)。

始業時間から終業時間までの間、決められた内容の仕事をこなすだけのしがないサラリーマンの時間の過ごし方を、斜めから見た澤田の独特の世界観があった。

妄想している時間は幸福だ…と考える澤田にとって、役柄としての黒豹の登場は、矛盾しているようにも思えるが、曰く「腹筋割れているヤツを見せたかった」んだそうな。
当然アンケートには、「ムキムキ君、良かった♪」と言うコメントが多数寄せられていた。
幕開きにラジオの音と、幕切れにBGMが1曲流れただけ…と、音響はほとんどない上に、一部の台詞があまりにもオゲヒンだった事と、設定に偏りがあったため、劇団員からですら不評が募った、ほろ苦い脚本家デビュー作となった。


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