■STORYガンダムが大好きな少年は、スキー場で赤い服に怪しいマスクの男と出会う。スキーが全く出来ないアムロ少年は恋人の有美をその男に奪われてしまう。 …そう、彼こそが女性500人を虜にした、ゲレンデの“赤い彗星”シャアだったのだ。 アムロ少年とシャアの因縁はスキー場から会社へと続いていった。 歳をとり家族をもち、それなりに暮らしていたアムロ(父)の上司は、あの“赤い彗星”だ。 その上司(シャア)に、左遷ともいえる転勤を言い渡されたアムロ(父)は、家族を守る為に上司(シャア)に抗う。 そんな時に現れた上司(シャア)の妻とは、かつての恋人有美だった! 左遷の憂き目に会い、かつての恋人は今や敵方。 プライドも何もかもズタズタにされたアムロ(父)は、その戦いから逃げ出そうとする…が、ブライト達に背中を押され、またシャアのいる戦場へと飛び出していく。 ガンダムとは巨大な敵を撃つ、夢のロボット。 大切な人を守る為、男はガンダムに乗って戦場へと赴く。 男が、人々が、ガンダムに託した夢。 アムロ少年が守りたかったものとは、ガンダムに託したかった夢とは…。 ■COMMENT作者の中島氏はガンダムが大好きだ。彼も機動戦士ガンダムを見て育ち、悩める少年アムロ・レイに共感を覚え、シャア・アズナブルに憧れを抱いた。 …んだと思う。 劇団員の中でも比較的世代の近い私には、中島氏のガンダムに対するアツイ思いがひしひしと伝わってきた。 なにしろこの作品に欠かせないのは、(ほぼ)1/1スケールのガンダムだ!! もちろん、10mを越すモビルスーツ(ロボット)など、舞台上に出現させる事は不可能な話。 しかし、“脚”だけなら…そう。総重量200kg超の巨大な吊り物、“ほぼ”1/1スケールのガンダムの脚が、舞台頭上から降りてきたのだ!!! 短い稽古期間で巨大なハリボテを製作する事自体が、相当厳しかった。 完成品を見たのは、小屋入りした後。 つまり製作は舞台袖で続けられていた。 完成直後、劇団員総出で美術バトンへと吊り込み、綱場とのバランス調整の為、とんでもない重量のウェイトをかける。 見事に舞台上から飛んでいったガンダム(の脚)。 作品中では、物語後半に役者の頭上から降りてくる。 ほぼ真下にいたのは私だった。 怖かった。 観て頂いたお客さんにも、ものすごいインパクトを与えた巨大セット。 それも、上演後にはその場で解体されてしまったのだった! …寿命、1日。 ガンダム好きな主役の近藤と私は、悲鳴を上げながら解体を手伝った…。 ←一覧に戻る |