劇団『彗』第10回公演
ナイトライダー

作:中島充雅 演出:高橋利明

2007年3月3日、4日
北方町生涯学習センターきらり

2008年5月27日
北方町生涯学習センターきらり
アマチュア演劇講習会モデル上演








【CAST】 【STAFF】
亀田三千雄 丹羽一高 舞台監督 澤田公宏
亀田ゆう子 松岡司 照明 井元美緒
ゆう子の父 大橋裕幸 大橋裕司
KITT 玉井秀典 音響 澤田公宏
タイヤ 森島友貴 内田綾華
今田亜季 映像効果 後藤誠司
松岡美紀 加藤まり子
岩木英理子 特殊効果 金武智徳
小山明日香 舞台美術 堤敏之
衣装 神野愛
制作 澤田公宏
丹羽一高
玉井秀典


■STORY

主人を交通事故で亡くした女性、亀田ゆう子はあるきっかけで主人と生き写しのタクシー運転手と出会う。
思わず乗り込んでしまったゆう子は、運転手に主人との思い出を車中で語りだす。

いろいろな思い出がゆう子の中に蘇ってくる。

三千雄のこの日の朝食も桃の缶詰とクリームを盛り付けたパン。
本人曰く“おひなさま食パン”。
朝からこんなクドいもの食べられるか!
…そうやって喧嘩になったんだ。
いつもいつも彼は朝から晩までタクシー運転手として忙しく働いている。
このご時勢にタクシー運転手なんて儲からない。
だから彼は必死に働く。
家でひとり待ってる私の気も知らないで。

初めてのデートだってちゃんと覚えてる。

あの時はゴメンネ。
うちのお父さん心配性で。
でもすごく嬉しかったんだよ。
あなたが私と結婚したいって、私のことずっと大切にするって、お父さんに言ってくれた事。

食パンに桃の缶詰とクリームをたっぷり乗せるのが嫌なんじゃなかったんだ。

あなたがナイトラダーになって私に伝えにきてくれたメッセージ、ちゃんと受取ったよ。
その“おひなさま食パン”と桃の花・・・。
私だって同じだったんだ。

思い出を乗せて走るタクシーのようなナイト2000。

ゆう子と三千雄の間の時間は融けて、また動き出す・・・。


■COMMENT

久しぶりの中島作品の上演となった本作。
このナイトライダー誕生には私の苦悩が詰まっている。

オリジナル脚本創作にとりかかるも、漠然と「人生の岐路」と言うテーマが見えているだけで話のモチーフらしきものは見えてこない。
そんな折助けを求めた中島氏によってほんの1時間ほどの打ち合わせでナイトライダーの骨子が組みあがっていった。
中島氏は満面の笑みを浮かべながら「それ、すっごいですよ」と言っては脚本の筋道をつけていった。
「すっごいですよ」と言われるのに物凄い違和感と恥ずかしさを感じていたのを忘れない。
自分には何とも出来なかったものが、中島氏の頭の中では物凄いスピードで脚本となっていくのが見える。

この時がこの作品に取り組んだ期間で最初の敗北感だったかもしれない。

運転手の三千雄役は、この時タイムリーに人生の岐路に立たされていた私にはうってつけの役だと自負していた。
しかし、ダチョウの検疫と言う仕事上、泊り込みで1ヶ月過ごす事になったおかげで私は完全な裏方に回る事になった。
オペレーションが必要なスタッフも含めて完全に降りたのだ。
(その後、仕事の日程の変更などにより音響のスタッフとしてオペレーターを務める事になったのだが。)

この作品での2度目の敗北感を味わう事になった。

個人的に思い入れの激しい役だっただけにその悔しさは物凄いものだったが、結果的には丹羽が見事にその役を務め上げてくれたので、この作品が成り立ったと思っている。

そして何より、中島氏が「ナイトライダーは3部作のシリーズ」と発言してしまったのが、この作品における一番の逸話だろう。
劇団初のシリーズもの。

新たな名物となったKITTとタイヤ達。
この後2009年春まで走り続ける事になったナイト2000も、この時に堤によって世に送り出されたのだった。





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