劇団『彗』第12回公演
ナイトライダーV 〜だから食べる前からソースかけるなよ〜
作:網 鎖漢 演出:高橋利明
2009年3月7日、8日
北方町生涯学習センターきらりホール
「きたがた演劇フェスタ」参加
2009年5月16日
岐阜市民会館
アマチュア演劇講習会モデル上演
―僕は絶望という海からきた最後の人間だ―
【CAST】 |
【STAFF】 |
長瀬 |
澤田公宏 |
舞台監督 |
堤敏之 |
田中 |
伊藤貴晴 |
照明 |
吉田真子 |
鈴木 |
廣瀬眞二 |
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澁谷佳克 |
照明 |
今田亜季 |
音響 |
岸野由香 |
音響 |
玉井美緒 |
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野原麻希 |
衣装 |
小森綾乃 |
舞台美術 |
堤敏之 |
ゆみこ |
西川司 |
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鶏小屋工房 |
KITT |
玉井秀典 |
衣装・小道具 |
玉井秀典 |
タイヤ@ |
林未貴 |
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西川司 |
タイヤA |
森島友貴 |
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玉井美緒 |
タイヤB |
野原康寛 |
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鶏小屋工房 |
タイヤC |
金武智徳 |
映像効果 |
後藤誠司 |
レッド |
丹羽一高 |
制作 |
澤田公宏 |
シャー |
松永誌乃香 |
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丹羽一高 |
クズ |
山口晃弘 |
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しゅー |
いとうゆい |
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ひらめ |
清水隆之 |
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タコ |
水野千鶴 |
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■STORY
「2009年3月8日の事だった。僕は昼の2時頃、北方町生涯学習センターにいた。きらりホールで、僕が書いた台本をとある劇団が上演してくれるので、覗きに行ったんだ。
受付でパンフレットをもらって、客席に入った。舞台は張り出し舞台になっていて、舞台の真ん中にはナイト2000が静かなたたずまいでそこに待っていた…。」
公演を前日に控えたとある劇団。
舞台でリハーサル中だが、芝居はグダグダ。座長の長瀬は明日の本番に向けて劇団員に檄を飛ばす。
…が、あろうことか肝心の主役の田中が行方不明。
いくらかの劇団員は明日の本番を諦めていた。それでも座長の長瀬はその代役を引き受ける。
「明日来るお客さんのために俺たちやるんだよ!」
どうにもならない状況の中、ひとりで何とかしようと自主練習に励む長瀬のに婚約者のユミコが差し入れを持って現れる。
豪華な寿司の差し入れは、長瀬が芝居をやめる“お祝い”だと言う。
そう。
長瀬は劇団を辞めるのだ。この公演は劇団最終公演。
長瀬の思いとは裏腹に、長瀬の元を離れて行く劇団員たちとユミコ。
真っ暗な舞台…
絶望の淵に沈む長瀬。
そんな長瀬の元へ、ナイト2000が爆音とともに現れる…
「ここは未来。あなたの力が必要なんです。」と言って現れたのは、ナイト2000に乗った主役の田中だった。
ナイト2000に襲いかかるレッドシャーク団。
そこは海に沈んだ未来の世界だった。
二酸化炭素濃度上昇とともに海面が上昇した世界で繰り広げられるレッドシャーク団とナイト2000の戦い。
タイムホールをくぐり抜け辿り着いた先は…
■COMMENT
ようやく手に入れた主役の座。
稽古は熾烈を極めた。劇団史上最大の出演者数。極寒のスレート葺きの倉庫で埃にまみれ、小道具の製作に深夜まで残って、なかなか覚えられない台詞と格闘した。
それでも思い切りやった。声を枯らして週7回の稽古に通った。
それは、ナイトライダーシリーズ最終話だったからじゃない。
この物語は劇団『彗』そのものであり、長瀬は澤田だと思ったからだ。
劇団座長役だから長瀬は澤田だと思っただけではない。
本番直前で主役が失踪した。世界は海に沈んだ。
そんな絶望的な状況にあっても、100年後も芝居を続けようと言う作者からの温かくも厳しいメッセージだと思ったからだ。
5月の再演が終わった頃だっただろうか。
作者に直接聞いてみた。「どうして彗をモデルにしたんですか?」
詳しい内容は覚えていない。でも、「モーニング娘。ように、中身が変わっても彗は続くんでしょ?」と言うニュアンスの回答が帰って来たのを覚えている。
絶望の中にいる主人公のもとに走り込んで来るナイト2000…
このVをもってシリーズは終了した。
3年間舞台狭しと走りまわった彗の名物舞台装置は、紺色の材木になった。
ナイト2000、お疲れさま。
しかし、
この作品から彗はまた走りだした。
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